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海外進出をするときの税金対策について

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海外進出の際に節税は可能なのでしょうか。
本記事では、具体的な税務対策について解説していきます。

海外進出の際の税務対策

企業が海外へ進出する際、国際取引や二重課税といった新たな税務リスクに直面します。
しかし、進出形態の選択や、国と国との間で締結されている条約を活用することで、国際的に合法的な節税対策を行うことが可能です。
海外進出時の節税対策は、企業の国際的な競争力を高める上で非常に重要となります。
以下でそれぞれ確認していきましょう。

進出の形態を工夫する

海外進出の形態は、主に以下の2つがあり、どちらを選択するかによって適用される税制が大きく異なります。

  • 海外支店方式
  • 海外現地法人方式

進出先の国の法人税率や、日本の税制を考慮して、適切な形態を選ぶことが重要です。

海外支店方式

海外支店方式とは、日本にある本社の一部として海外に拠点を設け、支店として事業活動を行う形態です。
海外支店方式のメリットは、損益通算の仕組みにあります。
支店は日本の本社と一体の法人格を持つため、海外支店で発生した初期の赤字や損失を、日本の本社が得た黒字と合算し、相殺することができます。
これにより、日本法人の全体の課税所得が減少し、結果として日本で納める法人税額を軽減できる場合があります。
海外事業開始当初に費用が先行しやすい場合には、有効な節税策となります。

海外現地法人方式

海外現地法人方式とは、進出先の国で新たに会社を設立し、日本の本社とは法的に独立した別会社として事業活動を行う形態です。
この場合、海外現地法人が得た所得は、原則としてその現地法人が所在する国でのみ課税され、法人税率が20%未満の国などに子会社がある場合の外国子会社合算税制等の規定に該当する場合を除き、日本の法人税の課税対象にはなりません。
進出先国の法人税率が日本よりも低い場合、その低い税率で課税が完結するため、節税効果が期待できます。

租税条約を活用する

租税条約とは、日本と相手国の間で、二重課税の排除や脱税の防止などを目的として締結される国際的な条約です。
海外進出の際は、この租税条約の内容を活用することが重要です。
たとえば、租税条約には、進出先国で得た事業所得について、どちらの国で課税するかというルールや、源泉徴収税率の上限などが定められています。
これらの規定を活用することで、二重課税を防止したり、軽減税率を適用したりすることが可能となります。

まとめ

海外進出時の税金対策は、進出形態の適切な選択と、2国間で締結された租税条約の活用が基本となります。
自社の状況に合った節税対策をとることが重要となります。
税金対策に関してお困りの際は、ぜひ1度、専門の税理士までご相談ください。